なぜ虐待や無責任飼育が起きるのか

飼い主の不在

なぜ学校飼育の現場で動物虐待や無責任飼育がおきるのでしょうか?

私が関わった小学校だけでなくネットでもそのような小学校の存在はあるようです。それはその小学校や先生方に原因があるのでしょうか?原因がないとは言えませんが、根本的な原因ではないと思うのです。

私は学校飼育の「飼い主不在」という問題が大きな原因になっていると思うのです。

 

飼い主とは?

私がここでいう「飼い主」とは

「その動物に愛情、関心、知識があり、その動物がどのような状況になっても一生に責任をもって飼育する気持ちがある人」です。

少なくとも以下の内容を含みます。他にもあるかもしれません。

 1.その動物についての知識・飼育知識を持つ。

 2.その動物が快適に過ごせるような環境を用意できる。

 3.適切なお世話時間を確保できる。

 4.適切な食事を提供できる。

 5.適切な衛生管理(便の処理など)ができる。

 6.健康状態に注意を払い異変があれば病院につれていける。

 7.定期的に健康診断を受けさせる。

 8.上記を実現するための経済的基盤がある。

 9.病気になったときに獣医の指示通りのケアができる。

10.介護が必要になってもきちんとお世話できる。

 

学校飼育での飼い主は?

 「飼うことを決め、動物を迎え入れる」のは校長先生でしょう。しかし校長先生は飼い主ではありません。一般的に動物のお世話はしませんし、(校長先生のお仕事でもないですし)異動すればその動物とは関係がなくなるからです。要するにその動物の一生に責任を負うことになる重大な決定をするにも関わらず、責任はとらない(取れない) という矛盾を抱えることになります。

 飼育担当の先生も飼い主ではありません。異動があれば関係がなくなります。

 お世話をするのは児童ですが児童に責任を負わすことはできません。

 

 飼い主不在である小学校で動物を飼うことは無責任飼育や虐待を招くという問題を潜在的に含んでいるのです。