学校でうさぎを飼うことには反対ですので「何が必要?」というのは矛盾した話になります。

 しかし、現時点でうさぎを飼っている学校は存在します。

 そこで学校のうさぎ飼育で私が思う最低限のことを書いてみます。現時点でうさぎを飼っている学校はチェックしてみてください。

 そこから学校でうさぎを飼うことができないという結論が導かれると思います。

 新たにうさぎを飼うことはせず、今いる学校のうさぎはできる限りのお世話をするか、それが無理ならば里親を募集して愛情を持って育ててくれる家庭を探してください。

複数の見出しで重複している内容もあります。

因みに私が関わった小学校では41点中、2点でした。

飼育小屋・備品

 □跳ねまわる十分な広さがあるか。

 □台風などの増水時に小屋に浸水しない構造であるか。

  (排水口と同じ高さに部屋がある場合は危険)

 □衛生が保て、うさぎの足に優しい床材か。

 □一匹ずつ仕切られたスペースがあり、

  各々エサ入れ、水入れ、巣箱、トイレ、トンネルがあるか。

  (去勢したオス、避妊したメスでも相性が悪ければ喧嘩をします。

  オス同志ならなおのことです。)

 □巣箱、トンネル等の備品は掃除しやすい形、重さのものであるか。

  (コンクリート製のトンネルは不適切であると感じました。

   児童が掃除のときに抱えて移動できず回転させていましたが

   下手をすると児童やうさぎが怪我をする可能性があります。)

 □検診用のキャリーケースはあるか。

 □うさぎ用爪切りはあるか(動物病院で切っていただく場合は不要)

 □グルーミングブラシはあるか

 □そうじ道具があるか。

   ・箒

   ・トイレ容器掃除用ブラシ

   ・食器用ふきん

   ・雑巾

   ・塵取り

   ・蓋つきゴミ箱

 □雨風対策のシートが用意されているか。 

 

食事

 □主食の乾燥牧草が切れることなく用意されているか。

 □補助食のペレットは適切な量を与えているか。

 □購入管理がされているか。

 □水入れは安定した形であるか。

  (底がボール状のものはうさぎがひっくり返してしまう)

  給水ボトルの場合、うさぎが飲めているか確認したか。 

 □毎日替えているか。

 

衛生管理

 □トイレの清掃は毎日されているか。  

 □餌・水の容器は清潔に保たれているか。

 □そうじ道具やゴミ箱が清潔に保たれているか。

 □小屋内備品(巣箱やトンネル)が清潔にたもたれているか。

 □ゴミはたくさん溜めずに飼育小屋外へだしているか。

 □餌のストックが衛生を保って保存されているか。

  (チャックや餌袋のクリップ等をすることが指導されているか)

  業務用の大袋の購入は餌が劣化するため不適切。

 

温度管理

 「飼いうさぎの適温はおよそ18~24℃といわれています。

 この時点で屋外飼育小屋で飼うことは不適切です。」が前提です。

 □飼育小屋の中に巣箱が設置されているか。

  巣箱はうさぎがかじっても安全な素材で

  児童がお掃除がしやすい構造であるか。

 □飲み水が凍った場合、飲めるように水換えをしているか。

 □夏は日よけなど暑さ対策をしているか。

  コンクリートの床材の場合、すのこのようなものや牧草を敷いているか。

 □冬は防寒対策をしているか。

  コンクリートの床材の場合、すのこのようなものや牧草を敷いているか。

 □雨風対策をしているか。

  児童でも簡単にできる巻き上げ式のシートなど。

 □温度計・湿度計があり、飼育日誌につけているか。

 

健康管理

 □定期健診に行っているか。

 □爪切りをしているか。

  (学校でできない場合、病院などに連れていっているか)

 □毛玉がないようにブラッシングしているか。

 □異常があるときにすぐに病院へ連れて行っているか。

  また、その体制がとれているか。

 □病院から投薬を指示されたときに指示通りにできているか。

  また、その体制がとれているか。

 □飼育日記をつけているか。

  また、記入項目は適当か。先生のチェックやコメントは毎日入っているか。

  (当番制でお世話をするときは前後の状況を記録しておかないと食欲や便などの異常が発見されません)

 

教育的側面・その他

 □獣医師会の訪問指導などを年に一回以上うけているか。

 □飼育担当の先生がうさぎについて愛情・関心・知識を持っており、児童に適切な指導が行えているか。

 □飼育委員会や飼育係の会でうさぎの健康状態、その他について話し合う時間をとっているか。

 □児童の飼育(お世話・扱い)が適切であるかチェックし、不適切である場合は指導がなされているか。

 □児童の声が先生に伝わっているか。

  また、児童の声に対して誠意ある回答や処置がなされているか?

 □飼育日誌の児童の気づいたことに対し、コメントを返しているか。  

 

予算

 □以下の予算は用意されているか。

   ・食事(牧草、ペレット)

   ・検診や病気など動物病院にかかる費用

   ・飼育小屋のメンテナンス費用

   ・飼育備品の費用

 

防災対策

 □災害時の体制や防災用品は用意されているか。

  だれがどのように連れ出すのか

  ケージはあるか

  避難先で誰がお世話をするのか

 

アレルギー対策

 □動物アレルギーやイネ科の植物アレルギーをもつ児童や教職員が入学、転入、異動してきた場合どうするのか事前に話合われているか。

 児童の心に配慮した適切な対応はとれるのか。

 

介護対策

 「なぜ虐待が起きるのか」の後ろの方を参照してください。

 □対策を考えているか。

  (必要になってから考えたのでは遅いです。)